例年、夏になると乳幼児を中心に全国的に猛威をふるう手足口病。
実は、大人が手足口病にかかる確率は約0.6%と少ないのですが、手足口病にかかった子供の看病で大人がうつってしまうことは珍しくありません。
大人が手足口病にかかった場合、どんな症状が出るのでしょうか?
今回は、大人の手足口病について紹介します。
手足口病の初期症状
基本的に、大人が手足口病にかかった場合は子供よりも重症化しやすいと言われています。
大人の手足口病は、初期症状として以下のようなものがあります。
- 微熱程度の発熱
- 咳、鼻水、くしゃみ
- 倦怠感
- 関節痛、筋肉痛
- 咽頭痛
これらの症状の後、手のひらや足の裏、口の中に以下の写真のような発疹が出てきます。
手のひらの症状
画像出典:MEDLEY(メドレー)病気事典
足の裏の症状
画像出典:袋井市ベビーマッサージ教室 ふわりふわ ままのて
口の中の症状
画像出典:江副クリニック
見るからに痛そうですね・・・。
症状が悪化すると、痛みから、食事が取れなかったり、歩けなくなったりすることもあります。
また、手のひらなどの発疹が痒くて眠れないということもあります。
子供の場合、手足口病で高熱が出ることは少ないですが、大人の場合、3割の人が40℃近くの熱を出し、人によっては頭痛や、吐き気、下痢などが起こります。
熱が下がり始める頃に口の中や手足に発疹が出始めますが、この発疹も大人の方が子供よりひどく出る場合が多いです。
皮膚の炎症が子供に比べて強く起こるため、痒みだけでなく痛みも伴います。
重症の場合には、手や足の裏の発疹の痛みのせいで物を握れなくなったり、歩けなくなったりすることもあります。
大人の手足口病は手足だけでなく、口の中の発疹も重症化しやすい傾向にあります。
口内炎がたくさんできて、喉の奥や舌の付け根にまで発疹ができることがあります。
こうなると、痛すぎて固形物はおろか唾液を飲み込むことすら困難な状況になります。
水分をきちんととれないと、脱水症状も起こしかねません。少しずつ、こまめに水分補給するよう心掛けてください。
氷を口に含んで溶かしながら飲むなどして、工夫しながら水分をとりましょう。
ひどい脱水症状で点滴が必要になる場合もあります。
どのぐらいの期間で治るの?
手足口病の潜伏期間は3日~7日で、潜伏期間中は、特に症状が出ることはありません。
症状が出始めてから痛みが治まるまで10日程度かかります。
水疱がかさぶたになり、皮がむけて完全に消えるのには、2週間~3週間ほど必要です(子供の場合は1~2週間)。
画像出典:やっこのひとりごと
また、大人の手足口病は発疹が治ってから数週間~1、2ヵ月くらいたった頃に、手足の爪が剥がれることが多々あります。
これは爪の根元にできた水ぶくれが原因と言われていますが、痛みはなく、剥がれた爪は自然と生え変わるので心配はいりません。
さらに、手足口病は症状がおさまっても2週間~1か月は人にうつる可能性があるため、注意が必要です。
会社には行けるの?
手足口病は子供の場合、熱が下がり、発疹が少し落ち着くと登園・登校が可能とされています。
大人の場合も、特に出勤停止の義務はありません。
ただ、感染してから10日前後は他の人にうつす可能性があるため、主治医や勤務先と相談しながら出勤の目安をつけましょう。
出勤する際には、感染予防としてマスクや手洗いうがいを小まめにするようにしましょう。
まとめ
大人が手足口病に感染するのは、ほとんが子供からうつるケースです。
特に、疲れがたまって抵抗力が落ちている時ほど、感染しやすくなるので注意が必要です。
子供の看病をしていたら自分も感染してしまった。とならないように、普段から栄養や睡眠をしっかりとるよう心がけてください。
子供の手足口病に比べて、大人の手足口病はとても辛いものです。
症状が酷い場合には、爪がはがれたり、手足のしびれがあったり、ごく稀に、脳炎や髄膜炎を同時に引き起こすことさえあります。
万が一感染してしまった場合には、子供の病気と甘く見ず、早めに診察を受けることが大切です。
また、子供の看病をする際にはマスクを着用し、小まめな手洗い・うがいを徹底して感染予防に努めましょう!
※手足口病に関しては以下でも紹介しています。