私が子供のころ、肌をサラサラにしておむつかぶれを防ぐものといったらベビーパウダーでした。
おむつを替えるときやお風呂あがりにパタパタとはたかれたパウダーの匂いを懐かしく思い出します。
しかし、現代では赤ちゃんにベビーパウダーを使うことはあまり良くないと言われています。
今回はその理由など赤ちゃんのベビーパウダーの使用について紹介します。
ベビーパウダーとは
ベビーパウダーは、トウモロコシからとれるコーンスターチを原料にして作られています。
「タルク」と呼ばれる、水酸化マグネシウムを含む鉱石を使ったものもあります。
白いパウダーで、無香料のものと香料の入ったものがあり、ほかに含まれる成分などもメーカーによって違います。
水分は油分を吸収する作用があるため、汗がたまりやすい場所や、ヒジや首などの折りたたむ場所などにベビーパウダーをはたくことが多かったのです。
昔、輸入タルクに発がん性のあるアスベストが含まれていると言われ、ベビーパウダーの使用を控えるように注意が出されたことがありました。
しかし、2006年にアスベストを含んだタルクの製造と使用が禁止されたので、それ以降に作られたベビーパウダーにはアスベストは含まれていません。
ベビーパウダーは逆効果?
お風呂あがりの定番だったベビーパウダーが、現在であまり良くないと言われ、赤ちゃんに使われること自体少なくなったのはなぜでしょうか。
汗腺をふさぐから
ベビーパウダーの粒の大きさは、赤ちゃんの汗腺(汗が出てくる穴)をふさぐ可能性があると言われています。
人間は、生まれてから3歳ごろまでに急激に汗腺が発達していくため、その時期にベビーパウダーで汗腺をふさぐと、汗を上手にかけなくなり、体温調節ができなくなるのです。
雑菌が繁殖するから
ベビーパウダーをつけた状態で汗をかき、そのままにしていると、湿ったパウダーに雑菌が繁殖しやすくなります。
吸い込むおそれがあるから
赤ちゃんの顔の近くでベビーパウダーをはたくと、パウダーが呼吸器官に入るおそれがあります。
赤ちゃんの呼吸器官は少しの刺激でも炎症を起こしたり、つまったりすることがあります。
それが原因でミルクやごはんを吐いてしまったり、むせたりすることがあるのです。
目に入るおそれがあるから
顔の近くでベビーパウダーをはたくと、目に入るおそれもあります。
目に入ったベビーパウダーの粒が角膜を傷つけ、視力が落ちたり目の病気を引き起こすおそれがあります。
どうしてもベビーパウダーを使いたいときは、
- 汗腺をふさがないように、少しだけ使う。
- ベビーパウダーをつけた部分が汗などで湿っていたら拭き取る。
- ベビーパウダーが舞い散って、口や目から入らないようにする。
ベビーパウダーをパフに取って赤ちゃんの肌の上でパタパタとつけるのではなく、
パパやママの手に乗せて、手をこすり合わせてなじませたあと、赤ちゃんの肌をなでるようにするとベビーパウダーが舞い上がるのを防ぐことができます。
ベビーパウダーを使わないおむつかぶれ対策は?
では、ベビーパウダーを使わずにおむつかぶれを予防する方法はあるでしょうか。
おしりを清潔に
おむつ替えのとき、おしっこやうんちはきれいに拭きましょう。
きれいに拭くことで汚れの刺激によるおむつかぶれを防ぐことができます。
また、汗腺をふさぐことも予防できます。
おしりを乾かす
おむつを替えるとき、おしりをきれいに拭いた後にしばらくおしりを乾かすのも効果的です。
おしりの下に新しいおむつを敷いて、しばらくおしりを出して乾かしましょう。
おむつかぶれになっても、日光浴をすると治りが早いと言われています。
冬は風邪をひかないように、おしりを出すときは暖かい部屋で行いましょう。
保湿クリームを塗る
おむつかぶれを予防するクリームを塗ると、おしりをうんちやおしっこの刺激から守り、おむつの摩擦からも守ってくれます。
まとめ
遠い昔の夏の日、けっこう大きくなってからもベビーパウダーをはたかれていた記憶がありますが、赤ちゃんのためには注意が必要なんですね。
絶対使ってはいけないというわけではないので、使う際にはその特徴をきちんと理解し、赤ちゃんがパウダーを吸い込んだりしないよう、気を付けて使いましょう。
※赤ちゃんのおむつかぶれに関する記事は以下でも紹介しています。