咳やくしゃみといった症状の冬の風邪に対して、夏風邪は熱や腹痛といった症状が出ます。特に、熱は38℃以上の高熱が出ることもあります。時には一週間続いてしまうことも。
外へ遊びに行きたいのに体はだるく、ご機嫌もどんどんナナメになって、看病する親も大変ですよね。
高熱が続くときはどんな対処をしたらいいのか、はたまた長引かせてしまうのはどんな環境なのか、夏風邪の熱について調べてみました。
熱が出る夏風邪ウイルス
夏風邪のウイルスにはいくつか種類があります。そのウイルスの中でも複数に枝分かれしているため、冬のインフルエンザのように特定のウイルスに効く薬というものが処方できません。
一口に夏風邪と言っても、そのウイルスによって症状は異なってきます。
エンテロウイルス
このエンテロウイルスはヘルパンギーナや手足口病の原因となるウイルスです。ヘルパンギーナの場合は38度以上の高熱が3~5日程度続きます。手足口病の場合はそれほど高熱にはならないようです。熱の他にも発疹があらわれます。
コクサッキーウイルス
このウイルスも手足口病の発症原因となります。熱も出ますが、そこまで高熱にならないことが多いようです。喉の痛みや口内炎といった症状も。子供に感染しやすいウイルスです。
エコーウイルス
このウイルスは発症してすぐに高熱が出て、一度下がり、再び上がってきます。腹痛や下痢などの症状もあらわれ、解熱後に頬や手足に発疹が出来ます。大人は免疫がついている場合が多いので、感染しても気が付かないこともあります。
アデノウイルス
38度以上の高熱が4~7日程度続くこともあり、プール熱の原因となるウイルスです。感染力がとても強く、ひとりがかかると一気に拡がることも。通常の風邪が24時間程度なところ、潜伏期間も1週間ほどあることも感染しやすい原因です。目の充血や目やにといった症状も伴います。
熱が出た時の対処法
夏風邪の熱の対処は、まず水分をとること。汗をこまめにふき取り、その分を補給してあげましょう。
熱が上がってくると、震えが起きたり、熱があるのに手足が冷えてきたりすることもあります。睡眠をとることが何より回復につながりますから、調子が悪くてぐずってしまうかもしれませんが根気よく寝かしつけるようにしてください。
熱が出ると、厚着をして汗をたくさんかいて早く治そうとする人も少なくないと思いますが、それが有効なのは冬の風邪だけです。
放っておいても汗はかきますし、子供は特に脱水症状になりやすく、熱がこもってしまうと逆効果になってしまうので、必要以上の厚着は避けるようにしましょう。
体温を下げるには、頭よりもわきの下や足の付け根を冷やした方が効果的だという小児科医の見解もあります。
体温調節機能が未発達なので、急速に冷やしてしまうと冷えすぎてしまうこともあるので、子供の様子を見ながら冷やすようにしてください。
長引かせてしまう原因
熱がなかなか下がらない要因は、ウイルスのせいだけとは一概には言えません。
例えば、冷房をかけていると、必要以上に体が冷えてしまって免疫力が落ちてしまいます。冷房の設定温度は25度以上にするようにしてください。
外気温との温度や湿度の差が激しいと、自律神経の乱れからこれも免疫力の低下につながります。
免疫力が下がっていると、熱が下がらないだけではなく、そもそもが感染しやすくなってしまいます。
また、高熱がある状態でお風呂に浸かることも、長引いてしまう原因のひとつかもしれません。お風呂に入ることは、体力を消耗します。
先ほど、「睡眠が何より回復につながる」と書きましたが、悪いウイルスをやっつけようと力を使って熱を出しているわけですから、その力を別のところで消耗してしまっては長引くことになります。寒くない室温で、体を拭いてあげるようにしましょう。
同じ考え方で、油分の多い食事を摂っていると、消化に力を使い回復は遅れてしまうことになります。
高熱が出ているときに揚げ物を出す家庭はそう多くないとは思いますが、揚げ物でなくても、お肉や魚の脂身にも気を付けましょう。脂が多く含まれるものは避けるようにした方がいいかもしれません。
まとめ
風邪をひくと、つい、暖かくして寝るように!なんて言ってしまっていました。適切な対処をして、一日でも早く元気になってもらいたいですよね。
冬の風邪ウイルスは乾燥した場所を好むのに対し、夏風邪は高温多湿を好むという特性からも、暖かくしていても簡単に弱ってはくれないようなのです。
暑いとついお部屋を冷やしてしまいがちですが、熱中症にならない程度に、そして免疫力を下げないためにも適温の冷房をを心がけるようにしたいですね。