学校や保育園、幼稚園の集団生活の中では、気を付けていてもウイルスをもらってきてしまうこともしばしば。夏風邪は、そのウイルスの特性から一度感染してしまうと長引いてしまうことも多くあります。
辛そうに咳をする我が子をみると、早くなんとかしてあげたい、代わってあげたいとすら思いますよね。今回は、なぜ咳が出てしまうのか、咳を緩和する方法など、夏風邪の咳についてまとめてみました。
どうして咳が出るの?
咳というのはそもそも、気道に入り込んだウイルスなどの異物があるときに、それを排出しようと反射的に起こる人間の防御反応です。
しかしその「異物」には様々なものがあります。ウイルスも、風邪を含む呼吸器感染症だけではありません。他にも喘息や副鼻腔炎も子供にはよくみられます。
例えば、単純に大人も痰が絡んだりしたときに咳払いをしますよね。それと同じように、子供も異物が入っているから咳をするのです。いつもより咳が多いな、と感じたらよく様子を観察するようにしてくださいね。
咳が出る夏風邪ウイルスとは?
症状に咳があらわれる夏風邪のウイルスは「アデノウイルス」と「エンテロウイルス」だと言われています。
これらは「三大夏風邪」を引き起こすウイルスのひとつでもあります。
「三大夏風邪」というのは「ヘルパンギーナ」「手足口病」「プール熱」の3つで、子供が夏に感染しやすい三つの感染症を指します。しかし、これらには咳や鼻水といった症状はほとんど見られません。
実は「アデノウイルス」と「エンテロウイルス」というのはいくつか種類があり、咳の出る夏風邪の原因にもなるのです。複数種類があるため、「一度ひいたから今年の夏はもう大丈夫!」とならないのも悲しいところ。ワンシーズンに繰り返しかかってしまうこともありますから、一度引いても気を抜かないようにしましょうね。
咳を緩和させるには?
残念ながら夏風邪そのものの特効薬はありません。
市販の咳止めもありますが、あまり強い効果は期待できません。熱や咳などで辛い中、お薬を飲んだということでお子さんの気持ちが少し落ち着くことが出来るのであれば、それも良いかもしれません。
ぐったりとした子供を連れ歩くのは気が引けますが、それでもやはりなるべく病院で処方してもらうことをオススメします。
自宅で出来る緩和方法としてはまず、「加湿」。
お部屋が乾いていると、喉の炎症を起こしやすくなり、頻繁に咳をすることで痛みが出てきてしまいます。
特に夏の寝苦しい夜にクーラーをかけていると一層乾燥してしまいますよね。そんなときは、寝ている子供の枕元に濡らしたタオルを干しておくだけでも部屋の湿度はぐんと上がり、少し楽になるでしょうからぜひ試してみてください。
加湿することで排出しようとしている痰を柔らかくし、出しやすくしてくれるので回復の手助けにもなります。
そして「背中に角度をつける」。
こちらは赤ちゃんの吐き戻し防止用の枕ですが、イメージはこういったことです。横になっているときに、上半身を少しだけ起こし、角度を付けておくと、喉に痰が溜まらず呼吸が楽になります。
そして「食事をしっかりとる」。
基本的なことですが、やはり栄養をとるというのは回復に欠かせない大事なことです。
よく「風邪をひいたらネギを巻いておけ」なんて言いますよね。ネギには「アリシン」という成分が多く含まれています。これは殺菌作用や疲労回復、体を温める作用があります。つまりネギは風邪をひいたときに欲しい作用がギュッと詰まった食材なのです。
ネギの他にも、玉ねぎやにんにくにも同じ「アリシン」が含まれているので、お料理に混ぜ込んで食べてもらうようにするといいですね。
喉の炎症には蜂蜜もいいですが、1歳以下の赤ちゃんには与えないように気を付けてくださいね。
長引く場合は他の病気かも?
風邪が悪化して、気管支にも炎症が広がってしまった場合は、「気管支炎」や「肺炎」になってしまうこともあります。
あまりに咳が続く場合は、「咳喘息」といった他の病気の可能性もありますから、発熱もなく風邪自体は治っているようでも病院にかかるようにしてください。
まとめ
私自身が風邪からの気管支炎を経験していますが、すぅっと息を吸うだけで咳込んでしまってまともに話せず、喉も痛く、とても辛かった記憶があります。そうなる前にきちんと治してあげたいですよね。
普段の食事から栄養をしっかりとって、夏風邪ウイルスに負けないように、体の抵抗力を高めておくようにしましょう。
子供の夏風邪については以下の記事でも紹介しています。