暑くなってくると気になるのが「熱中症」。
子供は大人よりも熱中症にかかりやすいと言われているのでなおさら心配ですが、どんなに気をつけていても、熱中症にかかる可能性はあります。
熱中症になっているか早く気づけるように、熱中症になった時に適切に対処できるように色々と調べてみました。
こんな症状が出たら熱中症かも?
子供は自分の体の異変を大人にはなかなか言いません。
熱中しているときや楽しくて帰りたくないときにはまず言いませんので、周りの大人が注意深く子供の様子を見てあげてください。
子供にこんな症状が出ていたら熱中症にかかっている可能性があります。
- ぼんやりしている。
- どこかを痛がっている。
- 顔色が悪い。
- 元気がない。
- 顔や体がほてっている。
- 機嫌が悪い。泣く。
この時点で気づけばその場の対処だけで済むこともあります。
熱中症は、1つの症状を限定している呼び方ではなく、暑さによって体に起こったさまざまな症状の総称です。
主な症状をあげて説明しますが、その症状がすべて出るわけではなく、複数の症状が組み合わさっている場合もあります。
では、熱中症の症状と原因を、症状の軽い順にご説明していきます。
①熱失神
症状:立ちくらみ、顔色が悪くなる、軽いめまい
原因:上がった体温を下げるために、皮膚の血管が広がります。
するとその分、脳へ流れる血液が減るため、脳が一時的な酸欠になり、立ちくらみやめまいを起こします。
②熱けいれん
症状:手足や腹部にけいれん、手足がつる ※このときは全身のけいれんは起こりません。
原因:大量の汗をかいたときに水だけを飲んでいると、体内の塩分が水で薄められて、ナトリウム濃度が低くなります。
ナトリウムは筋肉の機能に深くかかわっているため、不足することによって手足にけいれんが起こるのです。
体内のナトリウム濃度が低くなると、体はこれ以上塩分が薄くならないようにノドの渇きを抑え、水を飲めない状態にします。
するとさらに脱水が進み ③の熱疲労を起こします。
③熱疲労を起こす
症状:ぐったりしている、体がだるい、頭痛、吐き気(嘔吐)、失神 ※体温調節機能は正常なので、発熱することはありません。
原因:脱水症状と、血液の急激な低下によるものです。
④熱射病(日射病)
症状:意識障害、全身のけいれん、異常な高熱、汗をかかなくなる、意識を失って倒れることもある。
原因:体温調節機能がマヒしている状態です。
このなかで1番怖いのが④の熱射病です。
倒れるまでには段階を踏んで軽い症状が出ているはずですので、見逃さないようにしましょう。
遠目に見ているだけではわからない症状もあります。
2~30分に1回は水分補給や休憩のために近くに呼び寄せて、子供をよく見て触ってチェックをしてください。
また、大人が子供の普段の様子を覚えておくことが大事です。
体に触ったときのだいたいの温かさ、汗の量、普段の動き、水を飲む量、など、子供に関して覚えていることが多いほど異変に気づきやすくなるでしょう。
子供が熱中症になったら
子供に異変が見られたら、まず涼しい場所で休ませましょう。
襟もとやベルトをゆるめて、脳に血液が流れやすくなるように、足の位置を頭より少し高くして寝かせてください。
そして、汗で流れた水分と塩分を補いましょう。
冷たすぎると飲みにくいこともありますので、常温か常温に近いものを飲ませます。
休ませて症状が落ち着いてきても、そのまま休ませてください。
高熱が出ているときは、冷やしたタオルや冷却グッズで体を冷やしてあげてください。
首、わきの下、足の付け根には太い血管が流れているため、ここを冷やすと効果的に体を冷やすことができます。
いずれの場合も症状が治まらないときはすぐに病院に行って処置を受けましょう。
ただし、上記③の熱疲労の状態で水分が取れていないときや、④の熱射病で倒れたときはすぐに病院へ行ってください。
まとめ
熱中症は重症になると死に至ることもある病気です。
普段とは違う様子が見られたら、すぐに適切な処置をしてくださいね。